2023/04/08 00:59

三途の川の案内人には痛みもなければ、味も匂いもない。(客にはある。)
なのに白鳥はいつもコーヒーを飲んでいる。
なんでだろう?と思って描いた話。
考えてみると案内人の仕事ってきついよなあ、
毎日たくさんの人に会って、しかもその人はみんな死んでて…そう思うと烏目すごいなあ、と、考えるうちに今のような話になり、
じゃあ、もし自分が案内人をやっていて、どんな子が来たら一番きついかな?と考えた。
ここなので話すと、この子はある事件がモデルになっていて(わからないように描いてる)
数年前にそのニュースを見てからずっと頭から離れなくて、元々その類のニュースは凄い苦手で、
もうどうにもならないことを何度も反芻していた。
物書きをしている以上、
そこから逃げちゃいけない気はずっとしていて、もちろんただの自己満足だし、それでも作家としてあの子のことを忘れないように、いつでも思い出せるように、そしてせめて来世で幸せであることくらいは祈らせて欲しい。
そう思ってずっとペン入れをしていた。
最終的に、案内人それぞれの仕事観というか、哲学の話になっていって、
三途の川の案内人もみんな迷っている。
迷いながらもそれぞれのスタンスで生きているんだと思った。
燕が優しいって人もいれば、
白鳥が正しいって人もいるし、
烏目のやり方が気に食わない人もいる。
どれもあると思うし、
どれが優しくて、正しいかはきっと誰にもわからない。そんなのないのかもしれないし、それでも自分の信じた、最善と思う選択を信念に沿ってしていくしかない。
でもたぶん、こういう子が笑顔であってほしいというのは共通してみんなにあると思う。
そこだけは一致してるんじゃないかなと。
何が言いたいかというと、
自分は輪廻転生を割と信じているので、
あの子が来世で幸せであることを心から祈っている、ということ。
それと、この間中学生の子からもらったメッセージで、その子は学校でいつの間にか居場所がなくなっちゃって、その手紙には絶対人に話せないような心の奥の柔らかい部分をたくさん書いてくれていて、
この漫画を心の支えに、辛い時は読んでくれてるそうで、
自分は今日もあなたに向けて漫画を描いていますって感じです。