2023/03/10 16:42

収録「三途の川アウトレットパーク1巻」

僕は指定された本を次の週までに読めていなかったり、感想が上手く言えないと叩かれる環境で育った。

今辛うじて漫画でご飯を食べていけているのは、確実にそこの影響はあるんだろうなと。


生きているともっとも忌むべき相手や、苦手な人が与えてくれたものが、自分を救ってくれたり核になってたりすることが往々にしてある。

逆だったらもっとシンプルで楽だったのになぁといつも思う。

それが大好きで、尊敬している恩人のような人からのものだったら。


でも世の中はそうじゃないことの方が多くて、

もっと複雑で、絶対的に善人は善人で、悪人は悪人でみたいなのもあんまないと思うし、(ごく一部を覗いて)

白と黒で分けられることなんてほとんどなくて、

世界はグレーで出来ている。


この話のような親子関係に限らず、

あらゆる二つの関係性においてそのように言えると思う。広い範囲で言えば、政府と国民、先生と生徒、会社と社員。



やっぱり若いうちは

今自分の大切だと思うもの、掴みたいと思うものを

それが例え間違いや勘違いだとしても自分の手で掴むことが大切だと思う。

例えそれで傷つくことになったとしても。


ただ同時に、

その間違いや失敗が行きすぎないよう

上手く制して嫌われることが大人の役目なのかもとも思う。もちろん、その人を心から思っていることは大前提で。(このお母さんはそれが少しヘタクソだったけど)


カラスの立場からしたらそういう言い方もあるだろうし、ただ親の気持ちもわかるし

それぞれの立場によって言えることって違うと思っていて、

やっぱり誰が絶対的に正しいとか間違ってるとか、

簡単に断罪できるようなもんじゃなく、

ある面から見ればそれは正しいのかもしれないし、間違っているのかもしれない。


だから偽悪的、というか

ちゃんとその人と向き合って、思って、嫌われ役、汚れ役を買って出ることの出来る人はやっぱりすごいなあと思う。

人に嫌われることは怖いし、強い精神力と信念が揃っていなければなかなか出来ない芸当なんだろうな、と。

(もちろん、自分のポジションを守るため威張り散らしたり、思考停止の果てにあるそれや、ただの無責任な誹謗中傷は、似て非なるものだと思うけど



自分自身も、

今見ているこの景色は、

あの日あの時、あの人の厳しい言葉や立ち振る舞いがなければ決して見ることのできなかったものなんだな、ということを最近やっとわかるようになってきて、ただ冒頭でも話した通り、それが大嫌いで、心底憎んでる相手からのものであることもあったり


だから、

その人を許せってわけじゃなく、

(自分も、じゃあだからってそういう人を許せるのか?って言ったらそれはやっぱりわからないし)

だからといってその人が不幸になってほしいとも思わない。ただ自分はもうあまり関わりたくないっていう。


ただ、今目の前にある景色が

そういった色んな複合的な理由で見ることが出来ている。そう考えると今見ているこの景色の見え方も少し変わってくる。

きっとそのことは忘れない方がいいんだろうなあと、そんなことを思って描いた話。


この話を読んだ誰か1人でも、

この男の子のように明日見る空の見え方が

少しでも変わればいな、と。